今回は東京23区の中で、「人口密度」が高い地域をランキング形式でご紹介します。
東京23区は日本の市区町村で最も人口が集中している地域なので、基本的にはどこに行っても人が多いです。
ただし、地域によってかなり差があるので、「都内で生活したいけど、その中では落ち着いたところに住みたい」という人は是非参考にしてみてください。
ちなみに東京23区全体の平均は1㎢あたり15,602人となっていて、日本全体の平均326人と比べると50倍近くとなっています。いかに東京に人口が密集しているか、よく分かります。
〈統計データ〉
データ取得元:東京都総務局統計部
データ基準日:2023年1月1日時点
1.1位〜10位
1位 豊島区 23,298人
1位は豊島区です。豊島区は巨大な商業施設、繁華街を抱える池袋を中心に栄えていて、埼玉方面から若者が集まる街として有名です。
豊島区は都市計画上、第一種中高層住居専用地域や商業地域の割合が多いため、他の区に比べて容積率の指定が緩く、高層の建物が建てやすくなっています。
そのため、高層の建物が密集していて、人口密度は23区の中で最も高いです。
ちなみに市区町村別のトップ10では全て東京23区が独占していて、日本の市区町村の中でも豊島区は人口密度が最も高くなっています。
2位 中野区 22,028人
2位は中野区です。サブカルの街として有名な中野を中心に栄えていて、新宿区の西側に隣接していていることから、新宿をはじめとした副都心エリアのベッドタウンとして人気があります。
非常に利便性の高い立地である一方、木造住宅の割合や、建物棟数密度も23区で屈指の高さとなっていて、防災面での懸念が指摘されることもあります。
15歳未満の子どもの割合や、1世帯あたりの人数が少ないことも特徴で、ファミリーよりも単身世帯に人気が高いエリアです。
3位 文京区 21,519人
3位は文京区です。23区の中央部からやや北に位置する文京区は都心との距離が近く、都心をはじめ都内の様々な場所へのアクセスに優れています。
繁華街や商業施設が少なく、都心部の中では住環境が比較的良いことから住まいとしても人気の街となっています。特に人口が多いのは本駒込や小石川で、高級住宅街として知られています。
4位 荒川区 21,443人
4位は荒川区です。昔ながらの面影が残っていて、古き良き下町情緒を感じる街です。都心3区への距離が近く、通勤アクセスが非常に良い上に、不動産価格も比較的低いことから、多くの人が生活しています。
古い木造の建物が多く残っていて、建物の倒壊や住宅密集による火災延焼のリスクが度々指摘されています。幅が4mに満たない道路も多く、緊急車両が通りにくいという問題点も残っています。
5位 台東区 21,345人
5位は台東区です。伝統的な下町のエリアで、浅草寺と仲見世通りが観光地として人気がある浅草や、上野公園やアメ横商店街で有名な上野があります。
台東区は都心部に近い割に不動産価格は比較的抑えられていることから、通勤利便性の高い街としても人気があります。
東京を代表する観光スポットが多いため、年中観光客で賑わっています。繁華街や商店街が多い地域でもあり、昼夜を問わず混雑しています。
6位 墨田区 20,074人
6位は墨田区です。東京スカイツリーや東京ソラマチがある押上や、都内有数の歓楽街である錦糸町、国技館がある両国などが有名です。
都心部に近いことから、ベッドタウンとして人気が高く、街中は中高層ビルが多く建ち並んでいます。
東京スカイツリーは浅草にも近く、観光スポットとして常に混雑していますし、隅田川花火大会や大相撲の興行がある時期などは急な混雑も発生します。
7位 目黒区 19,403人
7位は目黒区です。住みたい街ランキングの常連となっている中目黒や、上品な街並みが人気の自由が丘などがある洗練された街です。
幹線道路沿いには中高層マンションが建っていて、中に入ると落ち着いた住宅街も広がっています。
渋谷や六本木などの繁華街にも適度に近いため、遊びを含めて都心らしい生活をするうえで、非常に便利な地域と言えます。当然ながら非常に人気があり、地価も高いです。
8位 新宿区 19,269人
8位は新宿区です。オフィスや商業、繁華街に居住用のマンションが混在している地域です。住宅街が多い他の区と比べると居住用マンションは少ないですが、中高層ビルが密集していることから、人口密度は上位となりました。
新宿区は外国人の割合も23区中1位となっていて、とにかく多様な人が暮らしている街です。新宿駅は1日の乗降客数が世界一とも言われており、駅周辺は多くの人が区外から訪れるため、昼夜を問わず人が多いです。
9位 品川区 18,352人
9位は品川区です。区全体が居住地域になっていて、オフィスや商業と混在しています。東側の臨海部にはタワーマンションが建っていて、西側は落ち着いた住宅街が多い地域になっています。
羽田空港や品川駅に近いことから、都心部の中でも利便性の高い街として人気があり、不動産価格も高いです。
10位 板橋区 18,056人
10位は板橋区です。板橋区は23区の北西部に位置していて、昭和の時代からベッドタウンとして栄えてきました。
マンモス団地として有名な高島平団地は昭和40年代に建てられた巨大コミュニティで、賃貸約8,000戸、分譲約2,000戸の合わせて10,000戸の住戸を有しています。
不動産価格も比較的落ち着いていて、多くの人が暮らしています。
2.11位〜20位
11位 北区 17,243人
11位は北区です。23区の北側に位置していて、都心、副都心両方へのアクセス性に優れた便利な地域です。
比較的人口密度の高い北区には都営住宅など古い建物が多く、65歳以上の割合が3位、平均年齢が4位と、特に高齢者の割合が高くなっています。
埼玉県と東京都市部のあいだに位置しているため、通勤通学時間帯の電車は非常に混雑します。
12位 杉並区 17,240人
12位は杉並区です。区の真ん中をJR中央線が走っていて、特に高円寺や阿佐ヶ谷は単身世帯を中心に人気が高い地域です。
都市計画上、建築面積や高さの制限が厳しい地域となっていて、街の景観は低層住宅が中心となっています。
13位 中央区 16,957人
13位は中央区です。東京23区の中央に位置しており、証券取引所や大手金融機関が集積する日本橋や、伝統のある格式高い商業ビルが並ぶ銀座、東京の台所として長く栄えた築地などがあります。
オフィスや商業が中心の街でしたが、都心のど真ん中という利便性の高さから、再開発でマンションが建設されることも多くなっています。月島、勝どき、晴海の湾岸エリアにはタワーマンションが次々と建設されていて、今後も人口流入が続きそうです。
14位 世田谷区 16,139人
14位は世田谷区です。区全体が居住地域ですが、建築面積や容積率、高さ制限などで23区の中で最も厳しい規制をしているため、ゆとりのある低層住宅が多く、人口密度はそれほど高くありません。
成城や等々力など、高級住宅街と言われる地域も数多くあります。
15位 渋谷区 16,042人
15位は渋谷区です。カルチャーの発信地として日本のクリエイティブを牽引する街です。高層マンションも建っているエリアですが、商業やオフィスの割合が高いことから、人口自体はそれほど多くなく、ランキング上は下位になりました。
渋谷区は買い物や遊びなどで人気の街なので、昼夜を問わず人が集まっています。また、何か大きなイベントがあると渋谷駅周辺で騒ぎが起きるなど、何かと混雑していることが多い地域です。
16位 練馬区 15,612人
16位は練馬区です。池袋や新宿といった副都心エリアに向かう路線が多く、ベッドタウンとしてファミリー層を中心に人気が高い街です。
不動産価格が抑えられているうえに、緑などの自然が豊かで、地盤が良いといった強みもあります。23区の中では混雑も少ないことから、落ち着いた生活が叶いそうです。
17位 江戸川区 13,809人
17位は江戸川区です。葛西臨海公園や篠崎公園など、大きな公園がたくさんあり、緑と水辺の自然環境が魅力です。
間取りにゆとりのある物件が多く供給されていて、1世帯あたりの人数は23区中1位となっています。
かなり広い区ですが、南北の縦移動には車やバスが必須で、駅からかなり離れている地域もあるなど、鉄道インフラがやや弱いです。
18位 足立区 13,020人
18位は足立区です。街の中心部である北千住を中心に栄えています。
庶民的で敷居の高さを感じないところが街の魅力で、荒川沿いには豊かな自然や緑地もあり、田舎にいるようなのんびりとした空気が感じられます。
北千住駅周辺は利便性が高く、人も多いですが、他の地域は駅から離れている場所が多く、人口はそれほど密集していません。
19位 葛飾区 13,016人
19位は葛飾区です。「こち亀」の舞台として知られている亀有、柴又帝釈天がある柴又などがあり、下町情緒溢れる人情の街として知られています。
江戸川の河川敷や水元公園など、自然豊かなスポットが多く、ファミリーにも人気の街となっています。23区の中では土地にゆとりがあり、住宅が密集していない地域です。
20位 港区 12,872人
20位は港区です。居住エリアとしては麻布地区、高輪地区が高級住宅街として有名です。最近はベイエリアである芝浦港南地区にタワーマンションが建設され、ファミリー世帯が流入しています。
中央区、千代田区と並んで都心3区と言われている港区はオフィスの割合が多いため、人口密度はそれほど多くない結果となりました。六本木や西麻布など一部の繁華街では、夜になると混雑するエリアもあります。
3.21位〜23位
21位 江東区 12,336人
21位は江東区です。臨海部を中心に再開発が進んでいて、豊洲や有明のタワーマンションなどが人気のエリアです。
物流拠点や大型の施設が多く、公園も広いため、全体的に敷地にゆとりがあり、混雑を感じないエリアとなっています。
22位 大田区 11,963人
22位は大田区です。面積の4分の1を羽田空港が占めているため、23区で最も面積が広い区となっています。羽田空港を除くと1㎢あたり16,000人程度となり、ランキングでは15位前後になります。
大田区は全体が居住地域になっていて、とても静かな環境です。歓楽街もほとんどないため、落ち着いた生活がしたい人に選ばれています。
23位 千代田区 5,793人
最下位は千代田区です。千代田区は官公庁が集約している他、主要な大企業などが本社を構えていて、面積の多くをオフィス街が占めています。
番町エリアと呼ばれる高級住宅街などもありますが、居住用の不動産自体がそれほど多くないことから、人口密度は最下位となりました。
平日の昼間は賑わっていますが、休日は人が少なく、閑散としているところが多いです。
4.まとめ
いかがだったでしょうか。やはり人口密度が高い街には高いなりの事情がありました。
体感的には新宿区、渋谷区などはもっと上位に入るくらい昼夜を問わず混雑していますし、千代田区や港区も昼と夜で雰囲気は全く異なります。それぞれの地域の特性を理解して、住まい探しの参考にしてみてください。
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