【品川区】東京23区現地調査：品川区の特徴と住みやすさを解説

今回は、昔ながらの街並みとスタイリッシュなオフィスビルが特徴の品川区です。

国内外へのアクセスの良さも魅力的で、エネルギッシュな街となっています。

具体的にどんな街なのか、代表的な駅や施設を、データも交えてご紹介したいと思います。

品川区の良い点、気になる点に加え、実際に住むとどんな生活が送れるのか、具体的なイメージもしていますので、是非住まい探しの参考にしてください。

【記事を書いた人】

ぴっちー
✔︎　都市銀行で不動産担保評価実務経験10年以上
✔︎　不動産売買契約は10回以上経験
✔︎　ファイナンシャル・プランニング技能士1級

１．概要
２．人口・世帯数
３．物価
４．生活環境
５．主要な駅
６．主要な商業施設
７．主要な公共施設
８．品川区の良いところ
９．品川区の気になるところ
１０．品川区ではこんな生活が実現できる
１１．品川区はこんな人におすすめ
１２．個人的な意見

１．概要

品川区は23区の南側に位置し、西部を中心に住宅街が広がっています。東部は東京湾に面しており、物流拠点や公園があります。

代表的なエリアとしてベンチャー企業の集積地となった五反田、戸越銀座商店街で有名な戸越などがあります。

区全体が居住地域となっていて、その中でも「城南五山」（御殿山、島津山、八つ山、花房山、池田山）と言われる北品川、東五反田、上大崎の一部エリアは高級住宅街として知られています。

２．人口・世帯数

		23区内順位
人口	419,155人	10位
面積	22.84㎢	10位
人口密度（1㎢あたり）	18,352人	9位
世帯数	237,519世帯	9位
1世帯あたりの人数	1.76人	17位
男女比率（女性割合）	50.7%	11位
15歳未満の割合	11.1%	9位
65歳以上の割合	19.2%	15位
外国人の割合	3.3%	20位
平均年齢（高い順）	44.4歳	17位
平均年収	5,515万円	9位

【参照元】
※1　東京都総務局統計部「東京都の人口（推計）」、「住民基本台帳による東京都の世帯と人口」の資料をもとに2023年1月1日時点で算出
※2　総務省「令和4年度_第11表市区町村別データ」の資料をもとに2023年3月1日時点で課税対象所得を納税義務者数で除して算出
※3　23区内順位は全て数字が大きい順番

地区別では荏原地区（小山・荏原・平塚・旗の台・中延・戸越・豊町・二葉）が約15万人、大井地区（大井・勝島）が約11万人と多くなっており、品川地区（品川・広町）が約8万人、大崎地区（五反田・大崎）が約7万人、八潮地区が約1万人となっています。

３．物価

		23区内順位
住宅地の1㎡あたり地価	90万円	8位
新築マンション㎡単価	189万円	5位
新築マンション40㎡計算	7,560万円	5位
新築マンション70㎡計算	13,230万円	5位
1R,1K,1DKの賃料	95,000円	10位
2LDK,3K,3DKの賃料	268,000円	7位

【参照元】
※1　国土交通省「令和5年地価公示」の資料をもとに2023年時点で算出
※2　HOME’S「新築マンション平均価格（2023年1-5月）」、「東京23区の家賃相場情報」の資料をもとに2023年8月17日時点で算出
※3　23区内順位は全て数字が大きい順番

新築マンションの㎡単価は189万円で、70㎡換算で13,230万円という結果になりました。都心へのアクセスの良さと、生活利便性の高さから、品川区は住まいとしての人気が高く、全体的に不動産価格も高いです。

４．生活環境

		23区内順位
公園面積	1.38㎢	12位
公園面積の割合	6.0%	11位
公園の数	284	10位
犯罪認知件数	2,041件	8位
1㎢あたり犯罪認知件数	89件	11位
保育園待機児童数	0人	1位
地盤スコア	64.63	11位

【参照元】
※1　東京都建設局「公園調書」の資料をもとに2022年4月1日時点で算出
※2　警視庁「市区町村の町丁別、罪種別及び手口別認知件数」の資料をもとに2022年1月から12月の合計値で算出
※3　23区内順位は犯罪認知件数、1㎢あたり犯罪認知件数、保育園待機児童数は数字が小さい順番で、その他は数字が大きい順番

五反田駅周辺に歓楽街があり、臨海部には大井競馬場がありますが、品川区全体では治安が良いと言えそうです。

公園は臨海部を中心に整備されています。

品川区は武蔵野台地の東端に位置していてJR品川駅やJR大井町駅の西側までが武蔵野台地、東側は低地と、一部が埋立地となっています。地盤スコアは悪くないですが、東側の低地部分は地盤の良くない地域ですので、防災面で注意が必要です。

５．主要な駅

駅名	1日あたり乗降者数	首都圏内順位
目黒	74万人	12位
大崎	45万人	20位
五反田	46万人	25位

【参照元】
※1　株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所「駅別乗降者数総覧2022」の資料をもとに算出
※2　首都圏内順位は数字が大きい順番

目黒駅はJR山手線、東急目黒線、東京メトロ南北線、都営三田線が通っています。

大崎駅はJR山手線、湘南新宿ライン、埼京線、相鉄線直通、りんかい線が通っています。

五反田駅はJR山手線、東急池上線、都営浅草線が通っています。

なお、品川駅は「品川」の名前が付けられていますが、住所は品川区ではなく、港区高輪です。

品川区には合計で26の駅が通っており、1㎢あたりでは1.14駅です。鉄道インフラは整っていると言えそうです。

６．主要な商業施設

阪急大井町ガーデン	・エイチツーオーリテイリンググループが運営する複合施設で、阪急百貨店大井町食品館、ホテル、銭湯、スポーツ施設などを備えている・商業施設部分の面積は約23,000㎡
アトレ大井町	・JR東日本グループが運営する商業施設・アトレ大井町1、2で構成されており、商業施設面積は合計約26,000㎡
イオン品川シーサイドショッピングセンター	・イオングループが運営する商業施設で商業施設面積は約28,000㎡・イオンスタイルを核に約30の専門店が入る

品川区は中規模の商業施設が多いですが、それ以上に商店街が多いことが特徴です。

戸越銀座商店街や武蔵小山商店街などは特に規模も大きく、常に活気があります。

７．主要な公共施設

戸越公園	・大名庭園跡を利用して作られた区立公園・池の周りを1周する回遊式庭園で、梅や桜、銀杏など四季折々の植栽が楽しめる
大井ふ頭中央海浜公園	・面積約45万㎡の都立公園・公園内の「スポーツの森」では野球やテニスなどのスポーツを、「なぎさの森」ではバーベキューや釣りなどが楽しめる
大井競馬場	・地方競馬の競馬場で、東京シティ競馬という愛称でも親しまれている・毎年12月下旬に行われるG1レースの東京大賞典が有名

８．品川区の良いところ

（１）落ち着いた住宅街

都心に近い地域でありながら、住宅街は静かで落ち着いています。昔ながらの雰囲気も残っているので、良い意味で都心を感じない住宅街です。

（２）日本全国へのアクセスが良い

北側が港区に隣接しており、都心3区（千代田区、中央区、港区）への通勤に便利です。また、品川駅や羽田空港も近いので、出張や旅行におけるアクセス性も抜群です。

（３）個人商店が多い

戸越銀座商店街や中延商店街、武蔵小山商店街など、活気のある商店街の多さが特徴です。街全体が成熟していて、レベルの高い飲食店も多いです。

（４）個性ある街並み

臨海部には水辺の景色や緑の多い公園が広がっている一方で、山手線沿いにはオフィス街があり、住宅街に入ると商店街や歴史を感じる飲み屋街があります。区内でも地域ごとの個性がはっきり出ていて、色とりどりの街並みを楽しむことができます。

（５）日用品の物価が抑えられている

価格の安さを売りにしているスーパーも出店しているため、都心に比べると日用品の物価は抑えられています。

９．品川区の気になるところ

（１）狭い道が多い

道路は入り組んでいて、狭い道が多いため、運転のしづらい地域です。
また、交通量はそれなりにあるため、小さい子供を連れたり、ベビーカーを押して歩く場合は車に気を付ける必要があります。

（２）踏切が多い

京急線や東急線は街なかを走っていて、高架が進んでいない場所があります。中には開かずの踏切となっている場所もあり、お年寄りやベビーカーを押す人は通行に注意が必要です。

（３）不動産価格が高い

都心部に近い人気エリアのため、不動産価格はかなり高いです。

（４）通勤時の電車が混み合う

人口密度の高い地域です。都心部への通勤は上り電車になるので、特に神奈川方面からの人が乗っている電車は相当混雑します。満員電車が苦手な方は電車の混雑もよく確認した方が良さそうです。

（５）坂が多い

武蔵野台地の東端である高台の西部と海岸低地である東部で成り立っているため、街全体で坂道が多いです。場所によっては徒歩や自転車での移動に苦労します。

１０．品川区ではこんな生活が実現できる

（１）短時間で出社可能

品川区からの都心部への通勤にはJR山手線の他、都営三田線や都営浅草線が利用できます。主要な駅に通じる路線なので、短い通勤時間で出社することができます。

（２）商店街で買い物をして帰る

仕事帰りに街の商店街で買い物ができます。惣菜屋さんやパン屋なども充実していますので、家で料理する時間がなくても十分に生活できます。

（３）行きつけの居酒屋で呑んで帰る

一人暮らしの人が多い地域なので、遅くまで営業している飲食店や居酒屋もたくさんあります。お気に入りの店を見つけて地元の生活を楽しみましょう。

（４）運河の景色を楽しむ

品川区は東側が臨海部となっていて、運河が広がっています。天王洲のランドマークにもなっているT.Y.HARBOR等、運河ビューのレストランで、ランチやディナーを楽しむことができます。

（５）大井競馬場で地方競馬を楽しむ

地方競馬を身近に楽しむことができます。競馬に詳しくない人でも、昼から外で呑んだり、周辺施設で開催されるイベントを楽しんだりと、様々な楽しみ方ができます。

１１．品川区はこんな人におすすめ

（１）生活感のある地域に暮らしたい

（２）都心への勤務に便利な場所が良い

（３）地方への出張が多い

（４）金銭的に余裕がある

（５）外で過ごすのが好きな人

１２．個人的な意見

街としての成熟度が高いエリアですので、単身からファミリー層まで幅広く受け入れられる街だと思います。出張で日本全国を飛び回るような忙しいビジネスマンにも向いています。

生活の満足度に関するアンケートで品川区が上位にランクインしている結果をよく見ますが、生活するために必要な店や施設はほとんど全て整っているので、住民の満足度が高いのも納得です。

一方で、どちらかというと大人の街という側面があると思います。学生が住んでも全然おかしくはないですが、不動産の価格が高いということもあり、同じ一人暮らしでも、学生よりは社会人の方がしっくりきます。

あまり好き嫌いが分かれず、住んだら誰でも好きになる、そんな街だと思います。不動産価格は高いものの、築古であったり、少し駅から離れるなどすれば、価格の抑えられた物件を探すことも可能です。街の雰囲気も含めて是非チェックしてみてください。